4月29日(水)24時55分
今日は萬田久子さんが出演している、
「黒革の手帖」が明治座で初日を迎えたので、
楽屋見舞いを兼ねて、
ナカヤマと二人で観にいった。
妖艶なダンスシーンと絡めてての場面転換は、
慣れるまでやゝ違和感があったのだが、
二幕、三幕と進むにつれて、
そこはかとなく内容と重なるところもあって、
上手く溶け合っていたように思った。
米倉涼子演ずる元子ママが、
次々に衣装替えをして出て来るのも、
見どころの一つとなっているのだが、
ホリ・ヒロシデザインの斬新な着物はともかく、
派手なロングドレスのホステスが、
そのままの格好で客とカラオケに行ったり、
ビルの下まで見送りすることはあっても、
街を歩いたりはないと思う。
(私、こう見えても、親しいママたちもいて、
銀座には結構詳しいのです)
元子にしたって、いくら銀座だとはいっても、
背中が思い切りあいた全身総ラメのワンピース姿で、
真っ昼間の喫茶店で人には会わないだろうなど、
見ようによっては、銀座に生きる女たちを、
「特別視」しているよう場面もあって、
複雑な気がしないでもなかった。
もちろん、芝居なのだし、
「銀座に生きる女たち」をシンボリックに描きたいという気持ちから、
デフォルメ部分があってもいいのだが、
普通の主婦でもさまざまな情報に精通しているこの時代、
リアリティを重要視する女性客に、
こうしたことがどう映るのかも、
計算しておかなければならないだろう。
「いろいろあっても、私は、最後は結婚して妻になる道を選んだ、
萬田久子のやった叡子役に感情移入しちゃうよね」
「米倉涼子のやった元子ママも、男をなぎ倒しているところはスカッとするけど、
結局野心家の女の最後はボロボロになるっていうストーリーは、
やっぱり男目線だよね」
「でも、ラストシーンで不敵にタバコ吸っていたから、
これからリベンジするという暗示なんじゃない」
「それにしても萬田久子は綺麗だったね。
あの黒いドレスで出て来た時は、
『わぁっ、これで50代?』って、驚いちゃった」
「米倉涼子も堂々としてさすが二回目という感じがしたけど、
萬田久子ってほっそりしているのに存在感があったよね」
「米倉涼子の衣装は、豪華絢爛な美術品みたいで、
貸してあげると言われても素人には着られないよね。
だけど、萬田久子の着ていた衣装は、
かつこいいのに、私たちでも頑張れば着れそうじゃない」
以上は、30分の昼食休憩(2回ある)の際に、
食堂とラウンジとトイレで聞いた。
40代後半から60代女たち(多分)の会話。
(何故かトイレではみんな正直な感想を言うので、
私が主催するイベントでも、休憩時間や終演後、
スタッフにトイレに行かせて、ヒアリングをさせている)
萬田さんにもこの話をしたら、
「身贔屓で言っくれているんでしょう?それでも嬉しいけど.........」
と笑っていたが、嘘・偽り無く、女たちはそう言っていたのである。
(「萬田久子が綺麗だった」という話は、
劇場の下りエスカレーターでも2回聞いた)
「物語も大事だけど、それよりこんな地味な時代だから、
『ストレートに綺麗』というものを見たいと思う女は多いのよ。
私たちもこんな時代だからこそ、少し身ぎれいにしなくちゃね。
それにしては、あなたのその格好は何?
いくら肌寒いからって、ウールのスーツにコートとマフラーは、
着膨れしすぎじゃないかしら。
もはや、痩せ我慢でしか、私たちは綺麗にはなれないのよ!」
昭和の日、明治座の前でのナカヤマの御託宣である。
このあと、大船で打ち合わせ。
せっかく大船まで来たので、閉門すれすれだったが大船観音にお参りした。
過日、この欄で昭和女子大の構内で見た桜が、
「今年最後の桜」だと書いたが、
大船観音の桜が「最後の最後の桜」となった。














































大船の観音様は、電車から見える程、駅から近いですよね。
萬田久子さんが、私の母と同じ50代と知り、驚いてしまいました。
テレビで見て、とても綺麗な方なので、近くで見た方々の反応がリアルに伝わって来ました。