10/1(木)「質」はともかく、すべてをやりこなした日。

icon_zamma.jpg10月1日(木)33時15分

結局、
2時間ほど眠ったら、
「翌朝」になってしまった。

予定では午前10時から、
根津美術館の「新創記念特別展内覧会」に、
出席することになっていたのだが、
午前中に書かなければならない原稿が、
まだ書き上がっていなかったこともあって、
気持ちは「欠席」の方向に傾いていた。

ところが、
原稿が思いの外早く書けてしまい、
9時には、「行けば行ける状態」になっていた。
物理的には行けても、
気持ちが今一つ消極的だったのだが、
そこに隈研吾氏から電話が入った。
「今日、来るんだよね」

隈さんは「新創・根津美術館」の設計を担当した建築家だ。
今日はこのレセプションが終わったら、
夜の飛行機でパリに発つのだという。
「ウーン、あまりに疲れ果てているので、
どうしょうか迷っていたとこ。
でも、.........やっぱり行くわ」

迷ったら行く。
こう決めていたはずなのに、今朝の私は怠惰になっている。
これではいけない。
今日は予定していた日程は、全てやり遂げよう。
気持ちを反転させて、支度を始めた。

新しい美術館は、
展示室が以前の1.6倍に拡張され、
展示ケースや照明装置は先端技術が駆使されてあって、
洗練された鑑賞空間に仕上がっていた。
以前は広い庭園に東屋があって、
お茶をいただく女性たちで賑わっていたのだが、
隈さんの設計したカフェは、
優美な日本庭園の中に、
繊細な洋の世界を溶け込ませることに成功していた。

ロビー入り口にいらした、
館長の根津公一さん御夫妻ににご挨拶をして、
展示室を回りはじめたところで、
「ここに来れば、残間さんに会えると思って.........」と言う、
大石静ちゃんに会った。
ここからは2人で連れ立って展示作品を鑑賞したのだが、
「国宝那智瀧図と自然の造形」の、
神道絵画の名作「那智瀧図」をはじめとして、
「吉野龍田屏風」など見事なコレクションばかりだった。

庭園のカフェで2人でお茶を飲んでいたら、
東京大学の坂村健さんに声をかけられた。
坂村さんも一人で来ていたのだが、
一人で来ている人は少なく、
夫婦連れが多かった。

「朝、早いのに、夫婦連れが多いわね」
大石さんも気がついていたみたいだ。
私も言った。
「そうね、でもよく見ると、
妻連れはリタイアしたとおぼしき男たちよ。
現役で働いている男は一人で来ているわよ。
でも、これからはこういう場面が増えるということよね」

日々、夜の闇を友にしながら仕事をしている、
年季の入ったワーキングウーマンの我らは、
初秋の美しい日本庭園にはあまり相応しくはない、
仕事の話をして、お互いに無言のエールをおくり合った。

次の日程は「日本創生委員会」の第12回会合だ。
今日のゲストスピーカーは中曽根康弘氏。
政権交代してまもないことでもあるし、
中曽根氏がどんな風に「今」を捉えているのか興味があった。

指定の席に行くと、
隣席にはさっき根津美術館で会った坂村さんがいた。
(同じ「サ行」同志なので、
2人とも出席している時は大抵隣席なのである)

ほどなく中曽根さんの来場となり、
全員が起立をして拍手で迎えるようにとの指示があった。
中曽根さんの話は、
新政権を「小澤理念を鳩が運んでいる」という言葉で、
表現をした以外は、総じて穏やかだった。

「民主党は反官僚・反自民を掲げてアピールしたが、
この先いかにして、民衆の心をつかみ、
国民を説得していくかにかかっている。
説得力こそが政治力なのだ」と現政権を評した時には、
「民衆の心をつかみ損ねたから自民党は大敗したのでは?」と、
突っ込みを入れたくもなったが、
「由紀夫くんの父・鳩山威一郎さんと私は同い年。
生きていたらさぞ喜んだだろう」などと、
微妙な変化も読み取れたし、
91歳になっても情熱を持って、
日本と日本人について語っている姿は、
それだけでも「十分な存在」だと思い、
静かに話を聞いていた。

第2部で御厨東大教授の講演があったのだが、
このあとの日程がつまっていて、
私はここで中座することにした。
帰り支度をしている私を見て、
坂村さんも「あっ、もうこんな時間。僕も出なきゃ」と言って、
一緒に席を立った。

続いてのスケジュールは、
公開シンポジウム「めざしたい!70歳現役~70歳、どう働く」
のパネリスト。(近々NHKで放送される予定らしい)
私以外のパネリストは、写真家の浅井慎平さん、
富士ホールディングスの加藤丈夫さん、
慶応大学教授&塾長の清家篤さんで、
司会は放送ジャーナリストの平野次郎さんだった。

浅井さんとはいろんな場面でご一緒しているのだが、
70歳を越えていらしたということを今日初めて知って、
心底驚いた。(今日の出演者の中で最年長なのだった)

みなさんそれぞれの領域で一家言ある方だが、
紳士的な方ばかりなので、
おせっかいな私は「少し変化もつけなきゃ」と思い、
旧知の間柄なのと、年下であることと、
何よりも温厚な上にも温厚な人柄であるという理由で、
清家さんを「標的」にして、適当に反論しながら話をした。

終わったあと、清家さんも、
「僕たちのバトルは緊張感を感じさせて、結構よかったよね」と言って、
帰って行ったから「真意」は伝わっていたらしい。


.........ここまで来ると朝の怠惰な気持ちはどこへやら、
それぞれの場面での、私の対応の「質」はともあれ、
全てをやりこなしてきたというだけで気分は爽快だ。
(「やりこなす」って「遣り熟す」と書くのよね。何か、よく判る感じ)

このあと会社でスタッフとの打ち合わせっをして、
深夜1時、半蔵門のFM東京のスタジオに行った。
準備は十分ではないような気もしたが、
一応やるべきことはやった。
ユーミン、陽水、みゆき、拓郎の、
全曲をリストアップした上で選曲をし、
プロフィールを調べ直して、
全体構成を考えはしたが、
せっかくの生DJなので、言葉が死んでしまうと思い、
敢えて台本は作らなかった。

早朝5時、番組は終わった。
これまたうまく出来たとは言い難いが、
昨日から2時間しか眠らないで、
全ての日程をこなすことが出来たというだけで、
充実感があった。

家に帰って、
さて「ブログを書こう」とPCの前に座ったのだが、
さすがに力が尽きた。
今日だけは勘弁して貰って、明朝書こうと思う。

カテゴリ:

コメント(2)

お疲れ様でした!

2週ともしっかりと生で完聴させて頂きましたよ♪

特に今回の拓郎、陽水、みゆき、ユーミンの特集は、聴いていて2時間があっという間に過ぎ去りました。

大変な中、2週のスペシャルDJをこなされた事がこのブログで読み取れますが、リスナーの立場からするならば、またの機会にDAYBREAKビッグサーズデーに戻って来て欲しいな…なんて考えています。

2週間お疲れ様&有難うございました。

いつも、エネルギッシュな行動力に感服しています。
そして、ブログの中身の濃さに、刺激を受けます。

「迷ったら行く」
いいですね。
いかにも残間さんらしいと思いました。

コメントを投稿する

      

フォトアルバム

5月16日(水)

photo_nikki
開業間近の「東京スカイツリー」を見上げる。

photo_nikki
江戸の四季をモチーフにしたというエレベーターの内装。

photo_nikki
真新しいユニフォームを着たスタッフ。

photo_nikki
340mの高さから下を覗く。

photo_nikki
地上451.2mから眺める景色。

photo_nikki

photo_nikki
最高到達地点「ソラカラポイント」にて1枚。



5月11日(金)

photo_nikki
打ち上げ会場での「虎姫一座」



5月8日(火)

photo_nikki
昭和のスターたちを支えた「花やしき少女歌劇団」(小・中学生の少女たちで結成された)

photo_nikki
浅草のランドマーク「浅草公会堂」



5月6日(日)

photo_nikki

photo_nikki
手足とも緑色に。



5月5日(土)

photo_nikki
手際よく芝の手入れをする学生。

photo_nikki
雄大な八ヶ岳連峰を仰ぐ。

photo_nikki

photo_nikki
花の直売店。

photo_nikki
熱気球体験も人気。

photo_nikki

photo_nikki
野菜の直売所(他に乳製品の直売所もある)

photo_nikki
「諏訪大社御柱祭」で曳行されたご神木。



5月3日(木)

photo_nikki
2キロの蕗の皮。

photo_nikki
虎姫一座+サエラの「公会堂で逢いましょうin浅草」稽古風景(5月11日18:30より浅草公会堂で開催)

photo_nikki
熱心に指導をする大里プロデューサー。



4月30日(月)

photo_nikki
港区コミュニティバス「ちぃばす」初体験。



4月29日(日)

photo_nikki
法話室にて、僧侶と。



4月21日(土)

photo_nikki
神楽坂・毘沙門天で、しめやかに営まれた。

photo_nikki
品川駅近くで見つけた、名残の桜。その1

photo_nikki
その2



4月18日(水)

photo_nikki
1986年に公開を始めた「窯のある広場・資料館」

photo_nikki
施設を案内してくださった、辻館長。



4月15日(日)

photo_nikki
初めて搭乗した「スターフライヤー」

photo_nikki
楽屋を訪ねてくださった、田島元通さんのお父さんと。

photo_nikki
「いろはクラブ」のみなさんが楽屋に用意してくれた、郷土のお菓子と柏餅。



4月7日(土)

photo_nikki
茅山荘の坐禅会。インド、ブラジルから帰ったばかりの藤田一照さん。

photo_nikki
お花見をするニシダさんと母。



4月6日(金)

photo_nikki
加賀乙彦先生とツーショット。

photo_nikki
willbeメンバーに囲まれた加賀先生。



4月4日(水)

photo_nikki
試食会で、ファミマスタッフと。手の中には、秘密のデザート(5月中旬発売予定)



4月3日(火)

photo_nikki
霞ヶ関ビル1階に飾られていた、桜の生け花。



2012年3月
2012年2月
2012年1月
2011年12月
2011年11月
2011年10月
2011年9月
2011年8月
2011年7月
2011年6月
2011年5月
2011年4月
2011年3月
2011年2月
2011年1月
2010年12月
2010年11月
2010年10月
2010年9月
2010年8月
2010年7月
2010年6月
2010年5月
2010年4月
2010年3月
2010年2月
2010年1月

書籍情報

人と会うと明日が変わる

人と会うと明日が変わる  残間里江子

【著者】
残間里江子
【出版社】
イースト・プレス
【価格】
1,470円

引退モードの再生学

引退モードの再生学 残間里江子

【著者】
残間里江子
【出版社】
新潮社
【価格】
500円

モグラ女の逆襲
~知られざる団塊女の本音~

モグラ女の逆襲 ~団塊女の知られざる本音~ 残間里江子

【著者】
残間里江子
【出版社】
日本経済新聞出版社
【価格】
1,575円

それでいいのか 蕎麦打ち男

それでいいのか 蕎麦打ち男 残間里江子

【著者】
残間里江子
【出版社】
新潮社
【価格】
1,470円

プロフィール

残間 里江子【プロデューサー】

1950年仙台市生まれ。アナウンサー、編集者などを経て、企画制作会社を設立。 プロデューサーとして出版、映像、文化イベントなどを多数手がける。著書多数。